TESOLと現場の要求

Cantomの略歴

私は日本の学校で英語教師を8年程やっていた経験があります。塾講師の経験も含めると、教育業界でのキャリアは10年を越えます。それなりに経験があるいっぱしの教員だったと言えます。

私は英語教師としてのキャリアを始める前に、米国でTESOLのサーティフィケートを取得しています。このTESOLは私が教員としての職を得るのに非常に大きな助けになったことは間違いありません。

しかし教員を始めて明らかになったのは、現場で教員に求められているものが必ずしもTESOLで学んだ内容と直結しないということでした。この現場で求められるものとは、学校・生徒・保護者の期待する進学実績です。ちょっと頭の痛くなる話ですね。

TESOLと現場の実際

私はTESOLのプログラムの中で「生徒の学習者タイプを理解し、英語習得を最適化させる多様なアプローチ法」を学びました。繰り返しになりますが、「英語という言語を習得させること」「現場での英語科のゴール」だとは限らないというところが重要です。(タテマエで生きた英語を身に付けさせよう!とは言っていますけどね。)

TESOLで学んだ教授法を実践しないという選択が、この要求に対するアクションとしては正解となる場面が何度もありました。特にスピーキングは影響が大きかったですね。私の職場では生徒の受験結果を重要視していて、この受験結果が科目としての英語が成功したかのバロメーターでした。(私の周囲の先生方も、前述のタテマエと現実の狭間で苦しんでいましたがw)学校の評判はもちろん、生徒の人生設計に関わる重大事ですから、ごもっともな話ではあります。

学んだ教授法にこだわりすぎてしまうと、生徒が将来に不安を感じてしまい授業が成り立たない可能性も出てきます。( 寿司が食べたいのに厚切りステーキを出されるようなものです! )内職を始める生徒が複数いたら、冷静な分析が必要です。

つまるところ、受験制度が科目指導に与える影響力が日本では大きいということでした。(少なくとも私の職場では)

TESOLはあまり価値がないということ?

全くそんなことはありません。日本の教育現場では要求に合わせた取捨選択が必要だということでした。身に付けたスキルは教員としての土台であり続けました。生徒の学習タイプを分析し、多様なアプローチが使える引き出しの多さに結びつきました。(科目指導以外のところでも役に立っています。)実習生を評価・指導する際に大切な、ブレない基準を形成することにも役立っています。

資格取得者に必要な心構え

自己満足を優先しないことに尽きます。新しいスキルと身に付けると、どうしても実践したくなるものです。「日本の英語教育は遅れている!」と突っ走ってしまうことだってあります。でもそれが生徒の為になっているのか客観的に検証する必要があります。これから先生になる人には、先輩の先生に現場で求められていることを聞いてみてください。

現場のリアルを知ったうえで、生かせるスキルだけを使っていく。これができれば、どこの現場に行っても科目指導は大きな波乱は無いかと思われます。そして環境の変化にも対応ができるハズです。これからTESOLやCELTA等の取得を考えている方の参考になれば幸いです。

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